2015年9月2日

ビレッジ戦略:「感覚の発信基地」で、ライフスタイルを提案 <前編>

時代にあった住宅会社の営業方法を見出すために乗り出した、新たな集客のためのグリーン雑貨事業。それは、従来の提案型営業から更に飛躍し、センスの良さを空間で演出するグリーン雑貨事業。懐かしさを感じるのにどこか新しさが漂う雰囲気に、来店客は胸ときめかせる。事業の目的が社員全体に行き届き、店内の「ゆとりと心地よい空気感」が、来店客を新たなライフスタイルへと誘う。
グリーン雑貨店オープンからわずか4ヶ月でリフォーム受注に繋がった住宅会社の「感覚発信基地」と位置づけられたグリーン雑貨店とは。

今回は新たな集客方法である「ビレッジ戦略」への取り組みと集客装置である「グリーン雑貨店」の立ち上げまでのお話を伺いました。

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  • グリーン雑貨店:店名 HODO HODO(ホドホド)
  • 開店:2015年3月グランドオープン
  • 所在地:島根県出雲市
  • スタッフ構成:店長、女性スタッフ2名
  • 企業名:株式会社 建装
  • 代表取締役:安食泰夫
  • 企画・開発・広報:安食祐昌
  • ショップマネージャー:岡田由衣

グリーン雑貨事業への挑戦。

――住宅会社の集客は、狩猟型から農耕型へ

代表取締役:安食泰夫

株式会社 建装
代表取締役 安食泰夫

社長:東京私どもの営業方法は、お客様に商品を決めてもらうのではなく、自分たちが練りに練った案を自信もって提案してきました。お客様が「いいですね」と、あたかも自分たちが選んだと思ってもらえるように。
今でも、伝わる人に伝えていこうというスタンスは、変わりません。
ただ、時代の変化と共に、ジレンマが生じていました。
モノだけを売りにいっても売れない時代、売りに行くのではなく、「人が集まる場所がほしい」と。

――グリーン雑貨事業をやる決め手となったのは、どのようなことですか?

社長:一番印象的だったのは、「狩猟型」の住宅営業から「農耕型」の営業へ、という考え方です。私にとって非常にインパクトがありました。
私どもの社屋の横にある物件をどう有効活用するか、単独でモデルハウスをやるには、費用もかかるうえにお客様からはもはや新鮮味のあるものには映りません。住宅に繋がることで何か人が集まる場所・・・カフェやショップなど、地域の人に何がうけるのかを考えていました。
かたや日々の営業会議では、顧客獲得に向けてストレスのたまるような話をしていたわけですが、自分で話しながらも、これでは社員のモチベーション向上には繋がらないと感じていました。
そのような折、住宅会社の集客を目的とした『ビレッジ戦略』の話を企画・開発の安食がもってきました。
「農耕型の営業は大きな変化をもたらす」との考えが私の中にすっと入っていきました。

――ビレッジ戦略との出会いは?

安食さん顔写真

企画・開発・広報 安食祐昌

安食さん:当初、住宅展示場で、料理教室や子供服のリサイクルショップなど、イベントを企画していました。
気軽なイベントをすることで、普段の住宅営業では会えないお客さんと会えるという感触を得ていました。
その一歩先を考えていた頃、集客装置としてグリーン雑貨店をプロデュースしてくれる会社を知り、すぐに話を聞きに行きました。『ビレッジ戦略』の考え方も私の中にすんなり落ちましたが、なにより担当の方とのフィーリングが、ぴったりと合いました。扱っているグリーン雑貨のセンスや感覚、興味の対象・・・この人と一緒にやれたら楽しそう、うまくいきそうだ、と。現地を見に行った時点で、私自身の心は既に決まっていました。
それが一年前の春です。お店の改修やスタッフの教育等で、準備に半年くらいかかりました。店の名前も自分たちで考え、「HODO HODO」と名づけました。

――グリーン雑貨事業については、当初から好意的でしたか?

社長:そうですね。グリーンを扱うことは管理という面で大変ですし、商いとしてみれば、グリーン雑貨ショップ単体で利益を生んでいくのが難しいことは、最初から分かっていました。
ただ、人を呼ぶ力はあります。
リフォームや外構工事に繋がらないのであれば、この事業には初めから携わっていなかったでしょう。
グリーン雑貨ショップの一番の目的は、ショップに来店されるお客様から本業への引き合いに結びつけていくことです。
毎日ショップから売上報告が届きますが、私自身はあまり数字を気にしておりません。むしろどんな客層の方が来られたのか、のほうが気になります。将来の仕事への投資と割り切れているところが、自分の中で楽なところです。

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――立ち上げの不安はありましたか?

安食さん:はい。私もある程度は、投資だと覚悟していましたが、やはり初期投資で在庫を抱えることに不安はありました。客層やニーズもつかめず、本部から送られてくる商品を見ながら、「本当にこういう商品がうけるの?売れるの?」と疑問を抱いていました。しかし実際、商品が売れていくのを見て、安心しました。
本部のサポートは、商品アイテムのセレクトはもちろん、アドバイスや成功事例の話など、気持ちの面での安心感があり、前に進もうとする私たちを後押ししてくれました。もし、立ち上げ支援がなければ、自分たちだけではできなかったと思います。

――スタッフはどのように変化しましたか?

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安食さん:当初は緊張でガチガチでしたが、経験が増えるごとに、慣れてきました。商品を自分たちでセレクトして本部に探してもらうなど商品開拓にも力を出せるようになりました。ディスプレイやPOPも、自分たちで考えて作ります。スタッフのモチベーションは高く、非常に積極的です。スタッフ同士のセンスやフィーリングが合うこともあって、話し合いや共有も円滑に進みます。基本的に、ものづくりが好きな集団なのだと思います。
みんな、生き生きとしてきましたね。実際お店に立ち、お客様から嬉しい言葉をもらって、自信に繋がってきたのだと思います。

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