2015年9月1日
自社の強みを最大限に活かした新感覚住宅展示場ウッドビレッジ<後編> :ビレッジ戦略
様々なタイプの住宅、不動産リフォーム、外構やグリーン雑貨店など「長崎材木店が提案する暮らし」を体感できる住宅展示場。これはビレッジ戦略を巧みに組み込んだ複合集客装置であった。
着手から2年。自ら思い描いていたビレッジの形が出来上がり、一つの完成型ととして大きな手応えを感じていると長崎社長は語る。
そこはお客様との接点の場として細やかな仕掛けをちりばめたフィールド、来場者は、まるで未来の自分たちの「緑のある、木の家暮らし」を体験しているかのようだ。
このビレッジの空間に、客は心地よさと共感を抱き、いつしか人間関係が築かれていく。気がつけば、「家に関する悩み」をトータルで相談する存在となっている。まさにこれからの時代に必要とされる集客と囲い込みの仕組みが、ここ福岡で確立されさらに精度を上げていきつつある。
⇒ 自社の強みを最大限に活かした新リンク感覚住宅展示場ウッドビレッジ<前編>
今回、後編では複合集客装置である住宅展示場ウッドビレッジを立ち上げ後の顧客の質や営業導線の変化、営業スキームの確立について詳しくお話を伺いました。
- グリーン雑貨店:BIOFRAME
- 所在地:福岡県古賀市
- 企業名: 長崎材木店
- 代表取締役:長﨑 秀人
- 営業・広報マネージャー:堀井 裕章
- 住宅コーディネーター 兼 雑貨マネージャー:原口 千明
- ガーデン・外構営業担当:平下 美幸
- グリーン雑貨店スタッフ:半澤 佳子、三宅 敬子
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2013年2月 ESTINA加盟
2013年4月 グリーン雑貨事業加盟
――営業の立場から、お客様との接客にどのような変化がありましたか?
堀井さん:住宅展示場ウッドビレッジができて、不特定多数のお客が来ているという実感があります。
場が賑わっていることは、営業として、非常にやりやすいです。
私自身のテンションもあがります。
本来、お客様にとって住宅展示場は、足を運ぶこと自体、勇気を必要とする敷居の高い場所です。来場されたとしても、お客様のガードは非常に固いものです。
しかし、「雑貨を見る」、「子どもと遊ぶ」、「カフェに立ち寄る」といったことは、気張らずにできて、季節感や雰囲気を楽しめます。心がリラックスして開いている状態なので、従来と比べてお話をしていても、ぐっと近い距離で話ができるようになりました。一組2時間、長いと3~4時間滞在して、お話します。
住宅業界は集客から大変に苦労している企業が多い中で、こうした環境で働けるのは非常に恵まれていると思います。
また、この空間を活かし、あえて営業マンという見せ方をしないようにしています。営業マンではない立ち居振る舞いを心がけ、木の家のトータルな提案をしながら、お客様が家づくりのゴールにたどり着くお手伝いをする、良き相談相手・アドバイザーとして、中立的な立場を心がけています。
初めから自分たちの強みを語るのではなく、家づくりの本質を語り、まずは人間関係を築くことを大切にしています。もちろん長崎材木店のこだわりはもっていますが、それをお客様に伝えるタイミングや内容は、非常に気を遣っています。
――新たなマーケティング手法:集客装置によって、お客様の質は変化しましたか?
堀井さん:お客さんの質や状況は、以前と変わりません。ただ、昔だったらご成約まで持ち上げきれなかったり、難しかったという層を引き上げられるようになりました。
例えば、奥様はノリノリなのに、ご主人は全く乗り気ではない。といった夫婦間で価値観が大きく異なる場合、これまで商談はスムーズに進みませんでした。
現在は、家の中から見えるお庭、そこでお子さんが走り回っている実生活と近い雰囲気、普通の住宅展示場とは全く異なる空間で話をしていくうちに、次第に「妥協」ではなく「同調」していき、ご成約になるケースも有ります。
またこれまで、庭作りについては自社で全面的にサポートできていない部分がありましたが、エスティナを始めることによって、お庭までトータルで提案できるようになりました。
これは、自社にとって強みで、差別化ツールの1つです。お客さまにとっても新鮮なようで、そこまでやる会社はないと言ってくださいます。満足度はかなり高いですね。
――立ち上げ2年目、結果はどのように?
堀井さん:グリーン雑貨事業での収益というより、即効性のない集客装置として考えていますが、今年二年目を迎え、ようやく効果が出てきました。
人はどのような小さなモノであっても、お金をやりとりしたという経緯は重要なものです。集客につながるクチコミを発生させ、広告や広報になるとも考えています。確かな手応えで、家の受注にも繋がっています。
もちろん既に家を建てた方でも、リフォームやリガーデン(庭のリフォーム)のお客様になる可能性があります。
来場のきっかけは、雑貨目当てだったにも関わらず、お客様との会話から相談になり、リフォームやリガーデンの受注になったケースも有りました。
また、逆もしかりで、リフォームを目的として来られたのですが、グリーン雑貨店に入り大量に購入されて、その後もリピートされ、お友達も連れてきてくださるといった、いい関係が出来上がりつつあります